老猫の病気には、痴呆があります。近年、ペットの寿命が飛躍的に延びていることから、人間と同じように、痴呆になってしまう猫もいるのです。長寿の猫が増えたことは喜ばしいことかもしれませんが、猫は人間と脳の構造も同じですので、当然、猫にも痴呆になってしまう可能性はあるのです。
痴呆の症状としては、まず、トイレの位置が分からなくなり、粗相してしまうことがあります。年中ものを食べていたり、逆に食事の要求が無くなったりするなどの摂食異常が起きたり、飼い主に噛みつく・引っかくなどの攻撃行動が起きる場合もあります。また、夜鳴き・徘徊・失禁・無反応など、その他様々な異常行動から、痴呆が疑われるようになった場合、残念ながら、根本的な治療法はまだ確立されていません。対処法としては、飼い主が、猫を介護することとなります。粗相の対策にはペット用のおむつパンツを利用するなど、出来るだけ負担を軽くする方向で工夫しましょう。また、根本的な治療ではないにしても、近年ペット用の痴呆改善薬もありますので、獣医師と相談の上、処方してみるのも良いでしょう。
近年、ペットはパートナーとして非常に大切にされる傾向が強まってきていますが、一方で、高齢化によって起こる病気の問題にも直面することとなります。しかし、これまでパートナーとして一緒に生きてきたペットです。是非、最善の対応をして行きたいものです。