葬儀や告別式、あるいはお通夜などは、たびたび出席するものではありませんし、普段の生活のなかでは、あまり心にとめたり考えたりするものではありません。
しかし、葬儀は予定をしないところに急に出席しなければならないことが多く、その時になって作法がわからずに戸惑ってしまう方も多いでしょう。
たとえば、仏教式の葬儀では必ず行うお焼香のしかたは、正しい作法で行っていると自信をもって言える人はほとんどいないのが現実です。
厳密に言えば、それぞれの宗派によって教義の上から作法は決められていますが、葬儀の参列者にはそこまでは求められません。
故人の冥福を祈って、心を込めてお焼香をさせていただけば、その気持は充分に故人にも遺族にも通じるでしょう。
回数も特にこだわることなく、そこに一心が込められていれば一回でもよいでしょう。
二回行う場合には心身を浄めるため、三回行う場合には仏法僧の三宝に帰依するためという、仏教の教義の上での意味がありますが、参列者はこだわる必要がありません。
大勢の参列者がある場合には、他の人がどうするか見て判断するのが無難とも言えます。
喪主や遺族の立場になった場合には、教義に則ったきちんとした作法をしておきたいので、あらかじめ打合せのときにでも導師をお願いした僧侶に尋ねて教えてもらうとよいでしょう。