縁結びの神様と言われる神社は日本各地に多く見られます。
ほとんどが男女の縁を取り持つとされたもので、結婚前の男女が二人でお参りしたり、まだお相手のいない独身者が良縁に恵まれるよう一人で参拝されたりしていますね。
もちろん男女の縁だけに限らず、仕事の上でよい上司や同僚に恵まれるよう願ったり、人づき合いが円満を祈願する方も多いでしょう。
このような縁結び信仰がいつから始まったか、その歴史はさだかではありません。
文献や絵画資料から推測するに、江戸時代初期頃から縁結び信仰が芽生え始め、中期には定着していたと考える説が有力です。
天下泰平の世となった江戸時代は、庶民の文化が花開いた時代でもあります。
神社への参拝は庶民の身近な習慣であるとともに、お伊勢参りにも見られるように生涯一度の大旅行の目的にもなっていました。
日本は歴史的に仏と神を平等に信仰する宗教観があり、仏教徒でありながら日本の様々な神様を敬う精神は江戸時代において文化となりました。
家の中で仏壇をおがみ、日に一度は近所の神社へお参りにいく。そんな独自の宗教観から、縁結び信仰も生まれたと言えるでしょう。
縁結びと言えば若い方を参拝へと動かすものですから、若い世代にも信仰が浸透していたことが判ります。
平和な世でも地域に根付く神様を大切にし、その神様に何らかの役割を持っていただくことで、俗世界と共存する接点が生まれるのです。